調理師の職務経歴書の書き方|業態別の記載例・自己PR例文

執筆・編集:調理職専門の転職支援「プラスナビクック」編集部
内容確認:調理職専門キャリアアドバイザー|コンテンツ制作・監修方針
転職活動の中でも、作成に時間がかかりやすい書類の一つが職務経歴書です。
個人経営の飲食店や知人の紹介では提出を求められないこともありますが、ホテル、給食会社、病院、介護施設、ブライダル企業などの正社員求人では、履歴書とあわせて提出するケースが多くあります。
調理職の職務経歴書では、勤務先や担当業務を書くだけでなく、料理ジャンル、提供食数、担当ポジション、チーム人数、役職経験などを具体的に伝えることが重要です。
この記事では、調理師・調理スタッフ向けに、職務経歴書の基本的な書き方、業態別に記載したい経験、自己PRの考え方をサンプル付きで解説します。
この記事を要約すると
- 職務経歴書では、勤務先名だけでなく担当業務と経験の規模を具体的に書く
- 集団調理では食数や人員、ホテル・飲食店では料理ジャンルや担当ポジションを記載する
- 自己PRは、実際の経験・工夫・応募先で活かせることの順にまとめる
- パソコン作成が便利だが、読みやすければ手書きでも提出できる
目次
調理師の転職で職務経歴書が必要な理由

採用担当者は職務経歴書から、応募者がこれまでどのような職場で、どの程度の業務を経験してきたかを確認します。
同じ「調理経験あり」でも、ホテルの宴会調理、レストランのアラカルト、病院の大量調理では、求められる技術や働き方が異なります。そのため、履歴書の職歴欄だけでは伝えきれない経験を、職務経歴書で補足します。
特に確認されやすいのは、次のような内容です。
- 料理ジャンルや施設形態
- 担当していた調理業務
- 提供食数・客数・対応人数
- 担当ポジションや役職
- メニュー開発、原価管理、仕入れ、スタッフ育成などの経験
プラスナビクックでは、年間500件以上の履歴書・職務経歴書を確認し、そのうち約80~90%で修正を行っています。実際の添削では、勤務先名だけで業務内容が分からないケースや、食数・料理ジャンル・役職経験が抜けているケースが多く見られます。
職務経歴書に書く基本項目
職務経歴書には、原則として次の項目を記載します。
- 作成日、氏名
- 勤務期間
- 勤務先名、事業内容
- 雇用形態
- 配属先や施設形態
- 具体的な業務内容
- 役職・マネジメント経験
- 保有資格
- 自己PR
調理職以外の職歴がある場合も、省略せず簡潔に記載します。接客、販売、物流などの経験も、コミュニケーションや正確性といった強みにつながることがあります。
職務経歴書をどこから書けばよいか迷っている方へ
これまでの勤務先や担当業務を伺いながら、応募先に伝わりやすい職務経歴書の内容を一緒に整理します。まだ応募先が決まっていない段階でも相談できます。
調理師の職務経歴書サンプル
介護施設と給食委託会社での調理経験がある方を想定したサンプルです。勤務先、食数、スタッフ数、業務内容は、ご自身の事実に合わせて変更してください。
職務経歴書 サンプル
令和○年○月○日
氏名:プラス ナビ太
■職務経歴
平成○年○月~令和○年○月 株式会社○○
事業内容:給食受託事業
雇用形態:契約社員として入社後、平成○年○月から正社員
業務内容
介護施設に配属され、調理、盛り付け、配膳、調理器具の洗浄など厨房業務全般に従事。朝・昼・夕それぞれ約100食を、調理スタッフ○名で対応。刻み食やミキサー食などの介護食にも携わりました。
令和○年○月~現在 社会福祉法人○○
事業内容:特別養護老人ホームの運営
雇用形態:正社員
業務内容
特別養護老人ホームで、調理、盛り付け、配膳、衛生管理などに従事。1回約150食をスタッフ○名で対応。厨房責任者として、シフト作成、新人教育、業務分担の調整にも携わりました。
■資格
- 平成○年 普通自動車第一種運転免許 取得
- 平成○年 調理師免許 取得
■自己PR
現職では、限られた人数でも料理の品質と提供時間を守れるよう、作業手順と担当分担を事前に確認してきました。また、厨房責任者としてシフト管理や新人教育を経験し、周囲への声かけと情報共有の重要性を学びました。これまでの大量調理とマネジメント経験を活かし、新しい職場でも周囲と協力しながら貢献したいと考えています。
サンプルのように、単に「調理業務全般」と書くのではなく、食数、スタッフ人数、対応した食形態、役職業務まで記載すると経験が伝わりやすくなります。
業務内容を具体的に書くポイント

1.調理経験の規模を書く
採用担当者が経験をイメージできるよう、数字を交えて記載します。
- 1回約100食をスタッフ5名で対応
- ランチ約80名、ディナー約50名を担当
- 宴会料理を最大200名分対応
2.料理ジャンルや担当ポジションを書く
ホテルや飲食店では、和食・洋食・中華などのジャンルに加えて、仕込み、焼き場、揚げ場、宴会、ビュッフェなど、担当していたポジションを記載します。
3.調理以外の経験も書く
役職経験がある場合は、次のような業務も記載します。
- メニュー開発、原価管理、食材発注
- シフト作成、勤怠管理
- 新人教育、スタッフ育成
- 衛生管理、マニュアル作成
「主任」「料理長」「厨房責任者」と役職名だけを書くのではなく、実際に担当した管理業務まで書くことが大切です。
業態別に記載したい経験

病院・介護施設・学校給食・社員食堂
- 1回または1日あたりの提供食数
- 一緒に働いたスタッフ人数
- 大量調理、治療食、介護食、アレルギー対応の経験
- 早番・遅番を含むシフト対応
- 衛生管理や厨房責任者の経験
ホテル・旅館
- 和食・洋食・中華などの料理ジャンル
- レストラン、宴会、ビュッフェなどの配属部門
- 担当ポジションや一日の対応人数
- メニュー開発、仕入れ、原価管理
- スーシェフ、料理長などのマネジメント経験
飲食店・ブライダル
- 料理ジャンルと客単価の目安
- アラカルト、コース、宴会料理の経験
- 仕込みから仕上げまで担当した範囲
- 新メニューや季節メニューの開発
- ホールスタッフや他部門との連携経験
パティシエ・製菓
- 生菓子、焼き菓子、デザートなどの担当商品
- 一日の製造数や担当工程
- ウェディングケーキ、レストランデザートの経験
- 商品開発、原価計算、発注業務
自分の経験をどこまで書けばよいか迷う方へ
応募先が重視する経験は、ホテル、飲食店、病院、介護施設などで異なります。調理職専門の担当者が、応募先に合わせて残す内容と補足する内容を一緒に整理します。
自己PRの書き方と例文

自己PRでは、性格だけを書くのではなく、実際の仕事で意識したことや評価された経験を伝えます。
次の3つの順番でまとめると書きやすくなります。
- 自分の強み
- 強みが分かる具体的な経験
- 応募先でどのように活かすか
集団調理経験者の自己PR例
病院給食では、決められた提供時間を守りながら、正確に調理を進めることを意識してきました。1回約120食をスタッフ6名で担当し、作業前の役割確認と声かけを徹底することで、忙しい時間帯でも連携して対応してきました。これまでの大量調理と衛生管理の経験を活かし、貴社でも安全で安定した食事提供に貢献したいと考えています。
ホテル・レストラン経験者の自己PR例
洋食調理では、食材の状態に合わせた火入れと、提供時間を意識した段取りを大切にしてきました。レストラン営業に加えて宴会調理にも携わり、繁忙時には周囲の進捗を確認しながら担当を調整してきました。これまでの調理技術とチームでの経験を活かし、新しい環境でも柔軟に貢献したいと考えています。
「料理が好き」「真面目に働ける」だけで終わらせず、どのような行動をしてきたかまで書くと説得力が高まります。
パソコンと手書きはどちらがよいか
職務経歴書は、パソコンでも手書きでも提出できます。ただし、パソコンで作成できる場合は、修正や保存がしやすく、応募先ごとに内容を調整しやすいためおすすめです。
手書きの場合は、文字の大きさや行間を整え、読みやすさを優先しましょう。無理に小さな字で詰め込むより、要点を絞って記載する方が伝わります。
職務経歴書の枚数は、一般的には1~2枚程度を目安にします。職歴が多い場合でも、同じ内容を繰り返さず、直近の経験や応募先に関連する経験を中心にまとめます。
Word形式のフォーマットは、以下からダウンロードできます。
職務経歴書で避けたいNG例
- 業務内容が「調理業務全般」だけ:食数、料理ジャンル、担当業務を補足します。
- 勤務期間の表記が統一されていない:西暦または和暦のどちらかに統一します。
- 役職だけで業務が分からない:シフト管理や教育など、実際の担当内容を書きます。
- 自己PRが抽象的:実際の経験や行動を一つ入れます。
- 誤字や職歴の抜けがある:履歴書と勤務期間・会社名が一致しているか確認します。
- 文章が長すぎる:一文を短くし、箇条書きも活用します。
応募先ごとにすべて書き直す必要はありませんが、求められている経験に合わせて業務内容や自己PRの順番を調整すると、採用担当者に伝わりやすくなります。
よくある質問

職務経歴書はすべての応募先で必要ですか
応募先によって異なりますが、正社員求人や企業が運営するホテル・給食施設・病院・介護施設などでは、提出を求められるケースが多くあります。求人票や応募案内を確認しましょう。
短期間で退職した勤務先も書くべきですか
原則として記載します。省略すると、履歴書との不一致や空白期間が生じる場合があります。退職理由は職務経歴書に詳しく書かず、面接で事実に沿って説明できるよう準備します。
アルバイトや契約社員の経験も書けますか
応募先で活かせる調理経験であれば記載します。雇用形態を明記したうえで、担当業務や経験の規模を書きましょう。
自己PRと志望動機は同じ内容でよいですか
自己PRは自分の経験や強み、志望動機は応募先を選んだ理由を伝える項目です。内容が一部重なることはありますが、役割を分けて書くと整理しやすくなります。志望動機の詳しい作り方は、調理師の志望動機の書き方も参考にしてください。
まとめ|職務経歴書は経験の規模と役割を具体的に書く
調理職の職務経歴書では、勤務先名と「調理業務全般」だけで終わらせず、食数、料理ジャンル、担当ポジション、スタッフ人数、役職業務などを具体的に記載することが大切です。
自己PRでは、実際の仕事で意識してきたことや工夫した経験をもとに、応募先でどのように活かせるかまでまとめましょう。
履歴書の基本的な書き方は、調理師の履歴書の書き方、面接前の準備は調理師の面接対策もあわせて確認すると、応募書類から面接まで一貫して準備できます。
応募先に合う職務経歴書へ整えたい方へ
プラスナビクックでは、職務経歴書の確認だけでなく、志望動機や自己PRの作成、応募先に合わせた面接対策まで無料でサポートしています。