介護施設と病院の調理師業務の違いとは?給食調理分野における調理師の仕事解説!

介護施設と病院の調理師業務の違いとは?給食調理分野における調理師の仕事解説!

◯介護施設と病院の調理師業務の違いはある?

介護施設や病院での調理は、単なる食事の提供以上に、利用者や患者の健康を支える重要な役割を果たしています。
介護施設では、高齢者の特性に応じた柔らかい食事や栄養バランスが求められ、一方で病院では、患者の病状に応じた食事提供が求められます。
どちらの現場でも、栄養士との連携や厳しい衛生管理が欠かせません。
しかし、これらの施設での調理業務には、それぞれ異なる部分が少しずつあります。

本記事では、プラスナビで多くの調理師さんとお話をしてきた内容も含め、介護施設と病院における調理の基本から、調理師が直面する共通の課題や違いを詳しく解説します。 調理師としての専門性を高めるための知識を深め、給食調理分野でのキャリアを考える方にとって必見の内容です。

この記事を通じて、介護施設や病院での調理の奥深さを一緒に探っていきましょう。

◯介護施設における調理の基本

調理師の役割として、介護施設で提供される食事は、入居者の健康と生活の質を支える重要な役割を果たしています。
高齢者や要介護者にとって、食事は単なる栄養補給の手段ではなく、日々の楽しみやコミュニケーションの場ともなります。
そのため、介護施設における調理は、栄養価の高い食事を提供するだけでなく、食べやすさや見た目の美しさにも配慮をする必要があります。
特に、安全で衛生的な食事を提供するために「衛生管理」は、外食業界に比べ、より調理師・栄養士など調理を行う方に求められています。

◯介護食の基本的な特徴


介護食は、高齢者や要介護者の健康状態や咀嚼・嚥下能力に応じて調整された食事を指します。
一般的に、食材は柔らかく調理され、食べやすいサイズにカットされることが多いです。
味付けも、健康を考慮して塩分や糖分を控えめにしつつ、食欲をそそる工夫がなされています。
さらに、見た目にもこだわり、食欲を刺激する色合いや盛り付けが心がけられています。
これにより、食事を楽しむ時間が、入居者にとっての生活の質を向上させる一助となります。

◯調理師の役割


介護施設の調理師は、食事を作るだけでなく、入居者の健康や嗜好を考慮した食事を提供します。
基本的には栄養士が献立を作成し、その献立にそって調理師が調理を進めていきます。
直営での勤務の場合は、食事を通じて入居者とコミュニケーションを図り、食事の感想を聞くことも可能です。

◯安全基準と衛生管理


介護施設の調理では、安全基準と衛生管理が最優先です。
食材管理から配膳まで厳格な基準があり、高齢者の免疫力低下を考慮し、食中毒や感染症のリスクを最小限に抑える必要があります。
具体的には、調理器具や作業場の消毒、スタッフの手洗いや健康管理の徹底が重要です。
これにより、入居者が安全で安心して食事できる環境を整えます

◯病院における調理の基本


病院における調理師の役割として、患者様への「治療食」の役割が大きいと感じます。
病院食は、栄養バランスを考慮しながら、患者の回復を促進するために一人ひとりの患者に合わせて献立が作成されています。
さらに、衛生基準を厳守し、安全で安心な食事を提供することが求められます。
これにより、患者の健康管理をサポートし、治療の一環としての役割を果たします。

<病院食の特徴と種類>
病院食は、患者の健康状態や治療方針に基づいて設計され、多様な種類があります。
一般食から特別食、流動食、低塩食、糖尿病食など、患者の病状に応じたメニューが用意されています。
これらは、栄養素のバランスを考慮し、必要なエネルギー量を満たすように調整されています。
患者が食事を楽しみ、治療に専念できるようにするため、食材の選定や調理法にも細心の注意が払われています。

<栄養士と調理師の連携>
病院での食事提供には、栄養士と調理師の緊密な協力が不可欠です。
栄養士は、患者の健康状態を考慮し、必要な栄養素を供給するメニューを作成します。
一方で、調理師はそのメニューに基づき、実際の食事を作り上げていきます。

<患者の健康状態に応じた食事>
病院では、患者一人ひとりの健康状態に応じた食事提供が重要です。例えば、術後の患者には消化に優しい食事が提供され、糖尿病患者には血糖値の管理を考慮したメニューが用意されます。このように、個別の健康状態に合わせた食事は、治療の一環としての役割を果たします。
また、アレルギーや食事制限がある患者にも対応できるよう、病院は柔軟なメニューの提供を行っています。
これにより、患者は安心して食事を摂取することができ、治療に専念できる環境が整えられています

◯介護施設と病院での調理業務の共通点

介護施設と病院の調理には、利用者や患者に徹底した衛生管理のもと、安心安全で栄養価の高い食事を提供するという共通の目的があります。
特に、「衛生管理」の厳守は最も重要な要素の一つです。
食中毒や感染症のリスクを最小限に抑えるため、調理環境の清潔さを保つことが求められます。
これには、調理器具や食材の徹底した消毒、スタッフの手洗いの徹底などが含まれます。

◯介護施設と病院での調理の違い

これまで記載した通り、大きく分けると、
・介護施設では、長期的な健康維持と生活の楽しみを提供することが重視されます。
・病院では、治療の一環としての食事提供が求められます。

そのため、特に「病院」での調理業務において、実際に働かれている調理師さんから良く聞くことは、
「一人ひとりの患者様に合わせて、塩分の違いやアレルギー対応、食材の違い」など、気をつけることが多く、大変だという声を聞くことがあります。
もちろんその分、調理師としての経験を積むことができスキルアップにつながる前向きな意見も多く聞きます

◯介護施設・病院での求められるスキルや資格

調理業務の違いとして、大きくは「生活の中の食事」か「治療食」かの違いを記載しましたが、
基本的には、介護・医療に関する集団調理業務において求められることは似ています。

まず、調理師資格や栄養士資格は基本的な応募要件となることが多いです。
特に病院での勤務の場合には資格を求められるケースが多いです。
どちらも国家資格で、専門学校や大学を通じて取得するケースと、調理師に関しては実務経験を積んだ後に試験を受け取得するケースがあります。
本コラム作者自身も調理師試験の本を読んでみましたが、なかなか難しく大変でした。
ですので、これらの資格を持つことで、食材の栄養価の理解や適切な調理法を選ぶ能力が証明されます。

続いて、チームワークも大切なスキルとなります。
利用者や患者さんの情報共有や、栄養士や調理補助スタッフとの連携などチームでの協力が不可欠です。

そして、調理技術の向上や効率的な動作、栄養に関する知識、アレルギー対応の知識など、一人ひとりの成長が欠かせません。
調理師の業界は残業が多くなってしまうことが多々あります。
※その中でも、外食や宿泊に比べ、病院や介護施設などの集団・給食調理業界は一般的に少なめではあります。
この残業を少なくするためにも、各施設・病院で効率的な調理を行うため、様々な改善を進めています

◯最後に

以上です。いかがでしょうか?

介護施設と病院での調理師の役割として、どちらも利用者や患者さんの健康を支える重要な役割を担っています。
また、どちらも魅力として、「決まった時間のシフト制で働け、かつ休日がしっかり取れる!」という働き方のメリットを感じているケースを良く聞きます。
外食業界やホテル・ブライダルから調理師として転職したいと相談を受けることも多く、もしお悩みがありましたら、ぜひプラスナビクックにご相談ください。

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