調理師・調理スタッフの仕事内容!給食調理とホテル調理の違いとは?
◯給食調理とホテル調理の違い
調理の仕事にはさまざまな分野があり、その中でも「給食調理」と「ホテル調理」は特に異なる特徴を持っています。
調理内容だけでなく、職場環境や勤務条件にも大きな違いがあります。
「病院の給食調理に挑戦してみたいけど、調理師として実際どんな業務をするんだろう?」
「今は学校給食で集団調理をしているけど、ホテルでの調理にも興味がある。どんな違いがあるのだろう?」
今回は、プラスナビクックで実際にさまざまな場所で働く調理師さんたちにお伺いした内容をもとに、給食調理とホテル調理の違いを解説いたします。
各職場の違いを把握し、ご自身に合った職場を見つける参考にしていただければと思います。
◯給食・大量調理の特徴とは?
◯給食調理の仕事について
病院、介護施設、学校などで、患者様、利用者様、学生たちに食事を提供する仕事です。
アレルギー食や嚥下食(きざみ食、みじん食、ミキサー食)など、個別の食事制限にも対応する必要があります。
給食調理の主な仕事内容は、大量の食材を使った集団調理ですので、例えば、200人分の食事を一度に作ることもあります。
給食センターでは5,000食を調理するという大量調理を行う現場もあります。
調理の工程は多岐にわたり、食材の下処理から調理、洗い物まで幅広く担当します。
施設によっては食中毒のリスクや従業員の負担軽減のため、クックチル(チルド食)を導入している施設もあります。
◯給与形態について
経験や調理師や栄養士資格の有無によって異なりますが、飲食やホテル業界の調理職に比べて月給はやや低めの傾向です。
ですが、景気に左右されることが少なく、安定した収入を得られるのが特徴です。
多くの施設では、年に2回の賞与が支給され、安心して働ける環境が整っています。
特に医療法人や社会福祉法人などが母体となっている直営では、賞与4ヶ月支給といった法人も複数あります。
◯勤務時間や休みの取りやすさについて
病院や介護・福祉施設では、患者様や利用者様の朝食、昼食、夕食を提供するため、早番、中番、遅番の3交代制が一般的です。
例えば、早番は5:00~14:00、中番は9:00~18:00、遅番は11:00~20:00など。
休日については、施設が365日稼働していますので、月8~9日休みのシフト制が一般的です。
大手給食委託会社では、年間休日が115日以上のところも最近では増えてきており、規則正しい勤務と休日の多さからプライベートとのバランスが取りやすい特徴があります。
保育園や幼稚園では8:00~17:00、学校給食は7:00~16:00など日勤帯の勤務がメインとなります。
また休日は土日祝休みのケースが多いため、ご家庭との両立をされたい方に人気となっています。
◯求められるスキルや資格について
患者様や利用者様の免疫力低下に考慮し、安全基準と衛生管理の徹底が求められます。
また、アレルギーや食事制限に対応できるスキルが求められるため、調理師資格が必須の施設も多いです。
◯ホテルでの調理業務の特徴とは?
◯ホテルの調理内容について
ホテルの宿泊客やホテル内のレストランでお客様に食事を提供する仕事です。
豪華な食材を使い、見た目や味にこだわった料理を提供するため、技術やクオリティが非常に重要です。
また、お客様の前で調理をすることもあるので、クリエイティブさを求められることもあります。
個人やグループ、利用する人数や目的も多種多様なため、お客様のニーズに応じた大規模な調理も行います。
ホテルでも、リゾートホテル、シティホテル、ビジネスホテルなどホテルによって、それぞれ提供する料理の特徴が違ってきます。
ホテルによっては、朝食ビュッフェに力をいれていたり、単価の高い鉄板焼レストランからコース料理の提供をしていたり、それぞれ差別化をされています。
◯給与形態について
経験やスキルに応じて変動しますが、給食調理と比較すると月給はやや高めの傾向です。
特に大手ホテルグループでは、年に2回の賞与支給額も大きく、調理の仕事で稼ぎたい方にもオススメです。
ただし、観光業なので景気や海外の動向に影響されやすい点は注意が必要です。
◯勤務時間や休みの取りやすさについて
勤務時間はレストランの営業時間に合わせたシフト制が一般的です。
朝食、ランチ、ディナーの提供時間に合わせて勤務するため、早朝から深夜までの勤務が求められることもあります。
中抜けのケースもあれば、シフト制で2交代・3交代というケースもあります。
こちらは、求人応募する際はチェックすることをオススメします。
また、観光業のため、土日祝日や年末年始の繁忙期に勤務することが多く、連休が取りにくいこともあります。
その分、閑散期には比較的休日が取りやすく、繁忙期に頑張った分、閑散期にまとめて休暇を取る方もいらっしゃいます。
◯求められるスキルや資格について
様々な食材の扱いや調理技術の高さ、多様な料理の知識や創造性が求められます。
調理師資格は無くても応募や給与に影響がでるケースは多くありません。
ただ、調理師資格は様々な知識を有しているという根拠にもなりますので、採用や収入でプラスに働いてきます。
その他、料理長や副料理長など管理職であれば、管理業務が発生してきますので、メンバーのモチベーション管理やPL管理など、調理業務以外にも知識や経験を求められます。
◯他の業界へのチャレンジ
「給食調理」と「ホテル調理」の特徴をもとに、
現在ホテルで調理業務をされている調理師さんが病院や給食委託会社に転職、
または、病院や学校で調理業務をされている調理師さんがホテルに転職した場合、
どういった利点と懸念点があり、今の状況がどのように変わって、どのような改善があるのでしょうか?
◯ホテルからの転職
ホテルから給食調理業務へ転職する場合、最初に感じる大きな違いは、その料理内容です。
給食調理では、栄養バランスや個別の食事制限に配慮し、大量調理を行うため、効率よく作業を進める必要があります。
また、嚥下食の対応、減塩食やアレルギー食の対応は、調理技術より衛生面や安全制などの正確性が求められます。
ホテルで華やかな料理を作っていた調理師さんには、調理内容や作業工程のギャップを感じ、早期で退職される方もいらっしゃいます。
ですが、景気に左右されることなく安定した収入を得ながら、規則正しい勤務でライフワークバランスを保ちながら勤務することが出来ます。
◎規則正しい勤務:シフトが規則的で、残業も少ないためプライベートとのバランスが取りやすい
◎安定した収入:景気の影響を受けにくく、安定した収入を得やすい
△食事制限対応の負担:特別な食事対応に慣れるまでに時間がかかる
△調理スキルの範囲が限られる:栄養バランスに重点を置くため、創造性を発揮する機会も少ない
■実際にあった声、体験
【50代・ホテルやレストランでの調理業務経験25年】
「繁忙期の働く時間の長さや休日の少なさが、体力的に難しいと感じ始めた」という相談がありました。
その一方で、「給料が下がるのは仕方ないけど、下がりすぎるのも生活が厳しくなる」というお考えもありました。
このケースでは、休日や勤務時間が安定しているという点で、病院や施設関係の「給食調理」がオススメです!
また、給料を意識すると、給食調理の中でも「給食委託会社」での調理師業務は、比較的給与水準が高い傾向にあります。
その上、給食委託会社の場合はエリア内に多く受託先があります。
経験やスキル、希望に合わせて、病院や介護施設、介護施設でも有料老人ホームや特別養護老人ホームなどの配属の相談も可能です。
結果的にこの方は、大手給食委託会社に所属、サービス付き高齢者向け住宅への転職を成功されました。
サービス付き高齢者向け住宅には、比較的健康な高齢者の方が生活されています。
そのため、これまでのホテルや外食業界での経験を活かした調理を続けることが出来ます。
仕事内容へのギャップを小さくして、経験を活かしながら働けることが決め手になりました。
◯給食業界からホテルへの転職
病院や施設、学校給食などの調理師からホテルの調理師に転職する場合、最初に感じる違いは、料理の多様性と勤務時間の違いです。
ホテルでは、季節ごとの特別メニューや創作料理が多く、高級食材を使いながらお客様の好みに合わせた調理を行う必要があります。
また、料理の見た目のクオリティはもちろん、メニュー作成などのクリエイティブさも求められます。
勤務時間が不規則になることが多く、今までの生活とのギャップに耐えられなくなり、早期で退職される方もいらっしゃいます。
繁忙期には勤務時間が長くなりがちですが、その分、給食調理に比べて給与が上がり、金銭的な余裕を保ちながら勤務することが出来ます。
◎スキルアップ:クオリティにこだわった料理を提供することで、調理技術を学べる
◎給与の向上:給食調理に比べて給与水準が高く、業績によってインセンティブなどが発生する
△不規則な勤務時間:繁忙期の長時間勤務などで、今まで通りのライフワークバランスを維持しづらい
△精神的・肉体的な負担:クオリティを求められるため、プレッシャーが大きく、慣れるまでに時間がかかる
■実際にあった声、体験
【30代・病院での調理業務経験10年】
「子供が産まれてお金が必要。体力には自信があるのでしっかり稼ぎたい」という相談がありました。
その一方で、「給食調理の経験も活かしながら、更にスキルアップしていきたい」というご希望がありました。
このケースでは、給与水準が高くスキルアップできるという点で、「ホテルや外食業界での調理」がオススメです!
また、ホテルの中でも「ビュッフェ・バイキング」での調理師業務は、給食調理で経験した大量調理業務を活かす事ができます。
その上、ホテル調理は比較的給与水準が高く、お子様の成長に合わせた必要なお金を稼ぐことが出来ます。
結果的にこの方は、シティホテル所属、バイキングレストランへの転職を成功されました。
バイキングレストランでは、常に多くの料理を宿泊客の方に提供し続ける必要があります。
そのため、これまでの病院での大量調理の経験を活かしながら、給与水準をこれまでより上げることが出来ることが転職の決め手となりました。
◯最後に
以上です。いかがでしょうか?
病院や施設、給食委託会社など給食調理を行う調理師とホテルでの調理師業務は、それぞれに特徴があり、どちらの職場が自分に合っているかを考えることが重要です。
給食調理は規則正しい勤務や安定した収入が魅力であり、ホテル調理は創造的で華やかな料理を作る楽しさがあります。
自分のライフスタイルやキャリアプランに合った職場を選ぶことで、より充実した仕事ができるでしょう。
特化型の転職支援サービスを行っているプラスナビクックでは、調理師・調理スタッフに特化した日本全国の求人を扱っています。
専属のエリア担当が一緒になって転職活動をサポートしていきます。
これまで多くの方の支援をしてきた経験を通じて、よりリアルな情報提供や実情を通して転職サポートが可能です。
ぜひ気軽に「プラスナビクック」をご利用ください。
◯求人のご相談をお待ちしています
結婚式場やホテル・レストランから病院や、福祉施設・保育園など幅広い業界の調理のお仕事を多数取り扱っています!
求人のご相談がありましたら、調理師・調理スタッフ専門の求人サイト・プラスナビクックにぜひご相談ください!
■調理に特化した求人・転職サイト
プラスナビクック
ご登録はこちらから(完全無料!)